伝統と鍛錬が紡ぐ 精悍な美のルーツ島に生きる沖縄空手を堪能する舞台へ神谷武史×ミゲール・ダルーズ

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10月3日からスタートするShip of the Ryukyu2018。
先陣を切って公演されるのが、伝統的な沖縄空手が体感できる舞台「沖縄空手御庭(おきなわからてガーデン)」だ。日々鍛錬を重ねる空手家たちの力強く、美しい“生きた演武”を軸に据えた舞台は、これまでの空手ショーとは一線を画す意欲作。空手発祥の地・沖縄に今も息づく伝統を、誰もが気軽に楽しめる舞台へと昇華させた演出家/神谷武史氏とプロデューサー/ミゲール・ダルーズ氏に、本作の魅力を語ってもらった。
(全5回連載|第1回目)


舞台「沖縄空手御庭」が生まれるまで

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――2018年Ship of the Ryukyuで公演される「沖縄空手御庭」は、今年1月の見本演武会で披露された演目を、観光コンテンツとしてさらに練り上げた作品になるんですよね?

ダルーズそうですね。これまで国内外の観光客や来賓に披露してきた空手演武の演目を、ちゃんとした“舞台作品”としてレベルアップしなければいけないとずっと思っていました。そのためには空手家だけではなくて、舞台関係者の力を借りて色んなことを学べる機会が必要だった。そんなとき、目の前にこのマグネットコンテンツ(Ship of the Ryukyu)の話がピュッと・・・(笑)。

――コレだ!って感じだったんですね(笑)

ダルーズそれで沖縄伝統空手道振興会と相談して『やってみましょう!』と。そこから空手家と舞台関係者、プロ同士が手を組んでの舞台の練り直しが始まりました。

神谷沖縄で「舞台」というと、舞踊や組踊といった芸能のイメージが強いと思うんです。だから舞台の上で空手をどう表現するのかが、今回は一つの挑戦になっています。国内外からくる観光客、それに空手というコンテンツを知らない人にも、舞台という力を使って“本物の空手”を見てもらえる機会にしたいんです。

ダルーズ観客に見せるのは“見せ物”じゃなくて“本物”を見せる。舞台のために作られたショーではなくて『いつもやっている空手を見せる』ということ。そこに、一番こだわりました。


忘れてはいけない、武芸としての空手

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――『いつもやっている空手』というのは?

神谷舞台に立つ演者には、照明を浴びたり、エンターテイメントのために武道をやっているわけじゃないという想いもある。でも日々鍛錬をして身に着けた技や礼儀作法を、多くの人に見てもらうことに、空手のこれからがあるのではないかと考えています。

ダルーズとっても単純だけど忘れてしまいがちなのは『空手は武術ではなく武芸である』ということ。これはアメリカにいる空手の先生が言っていたんだけど、武芸は英語で“Martial arts”。“arts”つまり“芸”。誰かを攻撃するものじゃなくて、見せるもの。どうやって感動を与えるか、下手なのか、上手いのか。見せなきゃ意味がない、武芸であることがとても重要なんじゃないかなぁと。

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――だから『いつもやっている空手』を舞台で見せることが重要なんですね。

ダルーズそう。何が違うかと言えば、しっかりと音響やライトが加わるだけであって、あとはそのまま。いつもの空手をやるだけ。


神谷氏×ダルーズ氏のインタビュー第2回は、日々の鍛錬で行われている空手を、どのようにして誰もが楽しめる“舞台作品”へと昇華させたのか。舞台製作と演出について深堀していきます!